羽毛布団に寿命があった!寿命のサインと気持ちよく使い続けるための方法

最近、羽毛布団を干しても以前のように膨らまないような気がしませんか?その羽毛布団はもしかしたら、寿命が来ているかもしれません。一生モノだと思って使っていた羽毛布団に寿命があるなんて驚きですよね。いったいどのような状態になったら寿命なのか、また大切な羽毛布団をなるべく長く使用するにはどうしたよいか、その方法をお伝えします。

羽毛布団の寿命(お直しの時期)について

羽毛布団の寿命は中程度の価格の商品では10年~15年といわれています。この時期を過ぎると、羽毛布団のボリュームがなくなったり、側生地の劣化によって羽毛がふき出してきたり、羽毛が偏ってしまったり臭いが気になったりしてきます。最悪の場合によっては中の羽毛の損傷が激しく、リフォームしてもふくらみが戻らないような状態になってしまう事もあります。一方で、高級な価格帯の商品の場合は15年を超えてもボリュームがあるものもあります。羽毛の寿命に差が出る要因は日々の使い方の他にお手入れの仕方、収納の仕方によって差が出ますが、一番の要因はもともとの羽毛の一粒の大きさ(かさ)が関係しています。長年使った布団の状態を確認してみましょう。

購入した時よりも、かさが3分の2以下

購入したときは畳むことができないくらいふかふかで厚かった羽毛布団が、当時の3分の2の厚みになったら、打ち直しなどのお手入れのサインかもしれません。中の羽毛が汚れのためにダウンボールが広がらず、小さく固まり体積(かさ)が減っています。羽毛についた汚れや、湿度により羽毛が丸まってしまうなど羽毛が壊れてやせている状態でもあります。

寝ていて寒い・重い

汚れや摩耗によってダウンボールが広がらないと、羽毛本来の保温性と放湿性は発揮されません。羽毛の量が減っている場合も同様です。軽いはずの羽毛布団がしっとりと重くなったら打ち直しなどのお手入れのサインかもしれません。

いやなにおいがする

皮脂や汚れと共に羽毛が酸化しています。干すだけでは取れないにおいです。羽毛はその集湿性のため、においも空気と一緒に取り込みます。羽毛の酸化とともに側生地の酸化にも気をつけなければいけません。生地の酸化がひどくなると羽毛のふきだしの原因になるからです。

羽毛が飛び出てくる

布団生地の寿命です。羽毛が出ないためのダウンプルーフ加工にゆるみが出ている状態です。また、布団生地に穴が開いたままだと、どんどんボリュームがなくなってしまうのですぐに生地の修復が必要です。

高級羽毛布団なら一生モノ?

羽毛のランクが高いほど日々の使用や湿度に耐えるので長持ちするといえますが、羽毛布団としての寿命は羽毛だけではありません。布団生地の素材による寿命の違いもあります。高級生地といわれるシルクは、強度は強くないので早く仕立て直さなくてはなりません。安くて丈夫なポリエステルは、通気が悪いので中の羽毛が蒸れてしまいます。長く使うのであれば、布団生地は通気性もよい綿100%がよいでしょう。

羽毛布団を長持ちさせるお手入れ方法

羽毛布団を長持ちさせるには、布団業者で行う定期的なお手入れと、家でできる日々のお手入れがあります。羽毛布団のお手入れはむずかしいものではありません。知ればすぐ実践できるものです。羽毛の寿命通り、羽毛布団を10年以上持たせることも可能になります。

布団カバーをする

意外とされていないことが多いようです。布団カバーをするだけで、皮脂や汚れから布団を守ることができます。表面についた汚れも、カバーを取り換えるだけで済むのでお手入れが楽です。

布団カバーを掛け替える

掛けた布団カバーはこまめに取り換えて洗濯をしましょう。長期間掛けたままにしておくとカバーを通り越して羽毛布団の生地にまで汚れが浸透してしまいます。羽毛の側生地に汚れがつくと、ひどい場合には生地の酸化によって側生地が裂けてしまい羽毛がふき出してくることがあります。カバーを掛け替えた際に側生地のエリ元部分が茶色くあぶらじみが出ているのを見つけた方はカバーを掛け替える回数を増やした方が羽毛布団の寿命アップにつながるとおもいます。平均的にはひと月に数回のカバーの掛け替えをすることをおすすめしています。

布団生地が破れたらすぐ補修

そのままにしていると、あっという間にぺたんこになってしまいます。布団購入時に補修布がついていれば使用して穴を埋めてください。しかしあくまで一時的な解決策です。すぐに打ち直しを検討されることをおすすめします。アイロンができない生地の場合は、業者へ持ち込むことをおすすめします。

頻繁に干す

当店に打ち直しに持ち込んで頂いた際に伺ったところによると干す回数の多い方の羽毛布団は干す回数の少ない方より明らかにボリュームの減りが少なく長期間使用しておられます。使用者の出す汚れとともに、湿気が羽毛布団を傷める大きな原因だからです。ただし羽毛の生地は長時間の直射日光に当てると痛みます。屋外で干す場合には布団カバーを掛けたまま干すと良いでしょう。また住宅事情で屋外に干せない場合はカーテン越しに日のはいる窓際に移動させたり、風通しの良い場所で羽毛布団の湿気を逃がすとよいでしょう。取り込んだあとは熱がこもっているのですぐ押し入れなどに入れないでください。

布団圧縮袋は使わない

押し入れの中で場所を取る羽毛布団ですが、圧縮はおすすめしません。羽毛がつぶれてしまい、もとのように戻りにくくなってしまいます。

布団屋さんで丸洗い(クリーニング)

最近はコインランドリーで布団を洗うことができますが、羽毛布団はおすすめできません。失敗すると使い物にならなくなるからです。大切に使うのでれば、業者に依頼しましょう。洗いすぎは羽毛の油脂分を奪って寿命を縮めるので、汚れ具合によって3~5年にクリーニングするのがよいでしょう。

仕立て直し(リフォ-ム)

さらに、5年から10年ごとに布団生地を新しくし、羽毛を洗って減った分を充填する仕立て直しをします。これが30年持たせるといわれるお手入れサイクルです。痛んでボリュームの減った羽毛布団の再利用もできます。羽毛をよく洗い、新品の補充羽毛と混ぜて新しい羽毛布団に生まれ変わらせます。

お手持ちの羽毛布団を気持ちよく使い続けるために

羽毛布団は高級品です。だめになったからといって、すぐに買い替えるものではありません。羽毛布団には寿命がありますが、少し取り扱い方を変えればずっと長く使えるようになります。仕立て直しのサイクルを守れば一生モノに近い使い方もできます。毎日使っている羽毛布団の変化は気づきにくいものです。簡単なお手入れを続けて、大切な羽毛布団で気持ちよく過ごして下さい。